用具 2026-10-09

ラクロス スティックの手入れ方法|練習後の乾燥とポケットの点検・編み直しの目安

この記事の内容まず知っておきたい:スティックの傷み方には3パターンある練習後の基本:汚れを落とし、水分を残さない雨の日・泥の日の対処:新聞紙で形を保ちながら乾かす保管:湿気と熱を避け、ポケットに負荷をかけないポケットの点検:こんな症状が出たら状態を疑う自分でできる調整と、お店に任せたほうがよい調整編み直しのタイミングと費用感の考え方公式戦前に確認しておきたいルール面の注意手入れの習慣をチームで共有するまとめ出典

新しいスティックを買って数か月たつと、「最近パスが浮く」「ボールがポケットの中でカタカタ鳴る」「キャッチしてもボールが抜けやすい」と感じる部員は少なくありません。フォームを疑って練習量を増やす前に、まずスティックのコンディションを見直してみる価値があります。ラクロスのポケットはナイロン製のメッシュとひもで作られていて、使えば使うほど伸びたり緩んだりする消耗品の側面があるためです。

この記事では、新入部員から2年生くらいまでの現役部員に向けて、練習後の手入れの基本、雨や泥の日の対処、保管の考え方、ポケットの点検ポイント、編み直し(リストリング)を検討する目安を順番に整理します。スティックの選び方や値段は別記事にまとめているため、ここでは「買ったあとにどう付き合うか」に絞ります。

なお、日本語でスティックの手入れをまとめた情報は多くありません。この記事で紹介する手入れの方法は、主にアメリカのラクロス用品店・ストリング専門店が公開している解説を、編集部が日本の部活の状況に合わせて整理したものです。メーカーや型番によって推奨が異なる場合があるため、最終的には購入した店舗、チームの先輩、ストリングに詳しい人の助言を優先してください。

まず知っておきたい:スティックの傷み方には3パターンある

スティックの不調は、大きく次の3つに分けて考えると原因を切り分けやすくなります。

ヘッド・シャフト・ポケットの基本的な構成はラクロスのスティックの値段ガイドでも触れています。用語に不安がある場合はラクロス用語集も手元に置いておくと、後半に出てくる「シューティングストリング」「サイドウォール」などの言葉が読みやすくなります。

この中で、日常の手入れの効果がもっとも出やすいのはポケットです。ヘッドやシャフトは壊れてしまうと買い替えが基本ですが、ポケットは点検と調整、編み直しで状態を戻せる場合があります。

練習後の基本:汚れを落とし、水分を残さない

アメリカのラクロス用品店SportStopの解説では、試合や練習のたびに泥やごみを取り除き、シャフトは湿らせた布で拭き、ストリングやサイドウォール(ヘッドの側面に通したひも)の間に詰まった汚れは小さなブラシやつまようじで掻き出すことが勧められています。別の用品情報サイトLax All Starsでは、泥や芝がついたときは早めに水で流し、石けんは使わず、その後にペーパータオルでプラスチック部分・ひも・メッシュの水分をできるだけ取ることが紹介されています。

部活の練習後に現実的に取り入れやすい流れは、たとえば次のようなものです。

  1. 練習や試合が終わったら、ヘッドについた泥と砂をまず手で払う
  2. 汚れが固まっているときは、水で軽く流してから乾いたタオルで水気を取る
  3. ストリングの隙間や、ヘッドとメッシュの境目の汚れを、ブラシやつまようじで取り除く
  4. シャフトを拭き、グリップテープのはがれがないか確認する
  5. ポケットの形を保ちながら、湿気が残らない場所で乾かす

毎回すべてを丁寧にやる必要はありませんが、泥や雨の日の後だけは「濡れたまま放置しない」ことを意識しておくと、傷みの進み方が変わる場合があります。

雨の日・泥の日の対処:新聞紙で形を保ちながら乾かす

雨の中の練習や、泥のグラウンドで使ったスティックは、濡れたままバッグやロッカーに入れてしまうのがもっとも避けたいパターンです。Lax All Starsの解説では、濡れたスティックをロッカーや床に置いたままにすると、状態が悪化しやすいとされています。SportStopの別の解説でも、湿気が残るとメッシュのゆがみにつながると説明されています。

乾かし方として紹介されている方法のひとつが、丸めた新聞紙をポケットに詰める方法です。新聞紙が水分を吸い取るため、ポケット全体が均等に乾きやすくなり、同時に形も保ちやすいという考え方です。ポケットの壁面に紙が密着するよう、細い棒などで押し込む工夫も紹介されています。

乾かした後は、木製などの固いボールでポケットの中心を軽くなじませる方法も紹介されています。一方で、ボールを入れたまま一晩放置すると、伸び方に偏りが出る場合があるとされているため、「入れっぱなしにしない」ことも合わせて覚えておきたいポイントです。

直射日光や高温の場所での乾燥については、情報源によって扱いが分かれます。SportStopは保管に関して直射日光や極端な温度を避けるよう勧めており、日なたや車内など高温になる場所でスティックを乾かすことは、素材への負担を考えるとおすすめしにくいと編集部は考えています。ヘッドはプラスチック製なので、風通しのよい日陰で自然に乾かす方が無難です。

保管:湿気と熱を避け、ポケットに負荷をかけない

保管の基本は、SportStopが挙げているように、涼しく乾燥した場所に置き、直射日光や極端な温度を避けることです。以下は出典に明記された内容ではなく、この基本を部活の環境に当てはめた編集部の考え方の例です。部室やロッカーを使っている場合の確認点として参考にしてください。

遠征の際の運び方や荷物の考え方は、ラクロス部の遠征費用ガイドでも遠征の準備に触れているので、あわせて確認してみてください。

ポケットの点検:こんな症状が出たら状態を疑う

ストリング専門店Stringers Societyの解説では、スティックの編み直しを考える目安として、次のような症状が挙げられています。

自分のスティックを点検するときは、次の順番で確認すると抜けが出にくくなります。

  1. メッシュ:ほつれ、穴、部分的な毛羽立ちがないか
  2. シューティングストリング:位置がずれていないか、ほつれていないか
  3. サイドウォール:緩んで揺れていないか
  4. ヘッドとシャフトの接合部:ぐらつきがないか
  5. シャフト:へこみ、ひび、テープの摩耗がないか
  6. ボールの収まり具合:壁当てでキャッチと放出の感覚が普段と違わないか

SportStopの解説は、パスが外れる、シュートの感覚がおかしい、保持力が安定しない、放出のタイミングが読めないといった状態が続くとき、原因はフォームではなくポケットにある場合がある、と述べています。自分の投げ方を見直す前に、スティックを点検するという順番を覚えておくと、無駄な練習の迷走を避けられる場合があります。なお、投げ方そのものの確認にはスロー(パス)の基本も参考になります。

自分でできる調整と、お店に任せたほうがよい調整

Stringers Societyの解説では、ポケットの調整は主に次の3か所で行うと整理されています。

ここで大切なのは、症状と調整箇所の対応を一度に変えすぎないことです。たとえば「低く飛ぶがシュートは問題ない」ならボトムストリング、「全体に高く飛ぶ」ならシューティングストリング、というように、ひとつずつ変えて、壁当てで確認する流れが基本です。変更箇所が多いと、何が効いたのか自分でも分からなくなってしまいます。

新品のスティックをなじませる方法として、木製のバットで軽く叩いてメッシュの繊維をほぐす方法が紹介されることもありますが、叩きすぎるとかえって形が崩れる場合があります。慣れるまでは、先輩や専門店のスタッフに目の前で見てもらいながら進めるのが安全です。

編み直しのタイミングと費用感の考え方

編み直しの時期に、全員に共通する決まった年数や期間はありません。Stringers Societyは、ユース世代の選手はおおむね1シーズンに1回を目安に、通年でプレーする場合や雨・泥の環境が多い場合はもう少し頻繁に、と紹介しています。Lacrosse Unlimitedの解説でも、メッシュは雨や泥の多い環境、あるいは長いシーズンの後に傷みが進みやすいとされています。

これはあくまで海外の用品店による目安であり、日本の大学のリーグ戦中心のスケジュール(地区によって試合の時期や数が異なります)と完全に一致するわけではありません。参考になるのは、期間そのものよりも、次のような判断軸です。

費用については、ストリング専門店・用品店・ショップによって料金も対応内容も異なります。日本国内のお店の料金は店舗ごとの公式な案内で確認する必要があり、この記事では具体的な金額を示しません。部費でスティックの管理をまかなう場合は、ラクロス部の部費の考え方も参考にしてください。

公式戦前に確認しておきたいルール面の注意

ポケットの深さや形状には、競技ルール上の制限があります。たとえばJLA公認の女子競技ルールブック(2024年度版)では、ポケットの深さはウォール上部から測ってボール1個分(直径6.4cm)以下とされています。公式戦ではスティックの計測・確認が行われる場合があるため、自分で調整する場合も、お店に依頼する場合も、所属するリーグのルールに適合しているかを事前に確認しておく必要があります。男子競技については、JLAが公開している競技規則(最新版)で用具規定を確認してください。

アメリカの解説でも、ほつれたシューターやゆるんだサイドウォールが原因で反則につながる可能性が指摘されています。ひもが伸びたことで知らないうちにルールに適合しなくなる場合もあるため、試合の前に自分のスティックを一度チェックしておく習慣は、手入れの面でもルール面でも役に立ちます。ルール全般はラクロスのルールガイドにまとめています。

手入れの習慣をチームで共有する

新入部員の場合、スティックの手入れは誰かに教わる機会が少なく、自己流になりやすい部分です。次のような取り決めをチームで決めておくと、学年に関係なく同じ水準で用具を管理しやすくなります。

こうした習慣は、結果として部の用具費の見通しを立てる際にも役立ちます。防具側の考え方はラクロス防具の選び方に、ポジションごとのスティックの特徴はスティックの選び方(ポジション別)にまとめているので、新しいスティックに買い替える前の判断材料としても使ってください。

自分のチームが今シーズンどのリーグで戦うのか、いつ試合があるのかを把握しておくと、点検や編み直しのタイミングも決めやすくなります。本サイトの順位表や全国8地区のチーム一覧から、所属リーグや対戦相手の情報を確認できます。

まとめ

ラクロスのスティックは、ヘッドやシャフトよりも、ポケットが先に劣化していくことが多いパーツです。日常の手入れの基本は、練習後に汚れを落とし、水分を残さず、形を保ちながら乾かすことにあります。雨や泥の日の後は、濡れたまま放置しない、新聞紙で形を保ちながら乾かす、といった工夫が紹介されています。

パスやシュートが安定しないとき、ボールがガタつくとき、キャッチしてもボールが抜けやすいときは、フォームだけでなくポケットの状態も疑ってみてください。調整はひとつずつ、無理のない範囲で行い、サイドウォールなど難しい部分は専門家に任せる判断も大切です。編み直しの時期は人によって異なるため、症状と練習量、使う環境を基準に考え、公式戦の直前に慌てて行うことは避けましょう。ポケットの深さなどのルール上の制限もあわせて確認しておくと安心です。

出典

本記事は公開されている用品店・専門店の解説とJLAのルールブックをもとに、編集部が一般的な内容として構成しています。海外の解説が中心のため、日本の環境やお使いのモデルに合わない場合があります。具体的な手入れ・調整は購入店舗やメーカーの案内に従い、公式戦で使用する前にはリーグのルールをご確認ください。

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