進路 2026-09-10
大学ラクロス部に「セレクション」はある? 入部の流れと経験者・未経験者別の注意点
「大学でラクロスを始めたいけれど、入部にはテストや選考があるのでは」と不安に思う高校生・受験生は少なくありません。サッカーやバスケットボールのように高校までの競技経験者が多いスポーツでは、強豪校の部活に入るためのセレクション(選考)が当たり前という感覚があるためです。この記事では、大学ラクロス部の一般的な入部の流れと、セレクションの有無、経験者・未経験者それぞれが気をつけたいポイントを整理します。
大学ラクロス部に入部の「セレクション」はあるのか
結論から言うと、多くの大学ラクロス部では、新入生を対象にした選考制のセレクションは行われていません。日本のラクロスは1986年に慶應義塾大学の学生がチームを立ち上げたのが始まりで、翌1987年に日本ラクロス協会(JLA)が発足したという歴史を持つ競技です(出典: 日本ラクロス協会「ラクロスとは?」)。つまり競技そのものが大学の部活動から始まり、高校までに触れる機会がほとんどない状態のまま全国に広がってきました。そのため大多数の部員が大学入学と同時に競技を始めており、「経験者だけを選抜する」という発想自体がクラブ運営の前提になりにくいのです。
これは、経験者と未経験者が明確に分かれる競技のセレクション文化とは異なる、ラクロスならではの特徴といえます。
新歓から本入部までの一般的な流れ
セレクションがないとはいえ、いきなり正式な部員になるわけではありません。多くの部活で共通する大まかな流れは次のとおりです。
1. 新歓イベント・説明会への参加
4月の新入生歓迎期間中に、体験練習会や部活紹介イベントが開催されます。ここではルールを知らなくても参加できるメニューが用意されていることがほとんどで、この段階での「選考」は基本的にありません。部活側がどのような新歓を設計しているかは新歓戦略を解説した記事でも取り上げていますので、見学の前に読んでおくと部活側の意図が見えてきます。
2. 仮入部期間
体験会に参加した後、数週間から1か月程度の仮入部期間を設ける部が多く見られます。この期間に複数の部活を掛け持ちで見学し、雰囲気や練習内容を比較する新入生も少なくありません。仮入部の時点で「合わない」と感じれば辞退できるのが一般的で、この段階も選考というより相互のマッチング期間に近い性質を持ちます。
3. 本入部の意思確認・道具の準備
仮入部を経て本入部を決めると、部費の支払いや防具・スティックなどの道具準備に進みます。年間の部費や遠征費は部によって差が大きいため、事前に確認しておくと安心です。
経験者(高校までに競技経験がある人)が気をつけたいこと
近年は女子中高生や小学生を含め、高校までにラクロスに触れる人がわずかながら増えてきています。とはいえ全体から見ればごく少数派であり、大学ラクロス部の新入部員の大半は未経験者という構図は変わっていません。高校までの経験者が入部する場合も、セレクションで選ばれるというより、通常の新歓ルートを経て入部するケースがほとんどです。
強化指定選手・スポーツ推薦のケース
一部の大学では、全国大会レベルの実績を持つ選手を対象にした強化指定枠やスポーツ推薦入試の仕組みを設けている場合があります。これは一般入部とは別の入試制度上の話であり、「セレクションで部員を選ぶ」こととは性質が異なります。大学進学の時点でこのルートを検討したい人は、ラクロスに大学の推薦入試はある?を解説した記事も参考にしてください。
未経験者が「セレクションがない」に安心しすぎない方が良い理由
セレクションがないということは、裏を返せば「入ってから合う・合わないを見極める期間が長い」ということでもあります。新歓期に雰囲気だけで決めてしまうと、入部後に活動頻度や指導方針とのミスマッチに気づくケースも珍しくありません。部活選びで確認しておきたい視点は大学でラクロスを始めるには? 部活選びで見るべき5つのポイントにまとめていますので、仮入部期間中の判断材料として活用してください。
見極めのポイントとしては、次のような点が挙げられます。
- 未経験者向けの説明や個別フォローがどれだけ丁寧か
- 練習中の声かけの雰囲気(怒声中心か、前向きな声かけが多いか)
- 1年生の定着率(説明会だけ盛況で、実際は離脱者が多い部もあります)
男子・女子で入部の流れに違いはあるか
ラクロスは男子と女子でルールや部の雰囲気が異なる競技ですが、入部にセレクションがなく大学から始める人がほとんどという点は男女共通です。ルールや防具の違いについては男子ラクロスと女子ラクロスはこんなに違うで詳しく解説していますので、どちらの部活を見学するか迷っている人は合わせて確認してみてください。
見学時に直接質問しておきたいこと
セレクションがない分、部活の実態は説明会や見学の場で自分から質問して確認する必要があります。当日聞いておきたい項目の例を挙げます。
- 新入生の何割くらいが未経験からのスタートか
- 仮入部から本入部までどれくらいの期間があるか
- 仮入部の途中で辞退する場合の連絡方法や手続き
- 強化指定選手・経験者向けの特別な扱いがあるか
パンフレットやSNSの発信だけでは分からない部分も多いため、複数回足を運んで直接確認することをおすすめします。
まとめ
大学ラクロス部の入部にあたって、新入生を選抜するセレクションが行われるケースはまれです。多くの部活では新歓イベント→仮入部→本入部という流れの中で、部活側と新入生が互いに相性を確かめながら加入が決まります。強化指定選手向けの入試制度は例外として存在しますが、一般的な入部ルートとは別物です。「選考がないから気軽に決めていい」のではなく、仮入部期間を使って自分に合う部活かどうかをしっかり見極めることが、納得のいく4年間につながります。
出典
本記事は日本ラクロス協会が公開している情報および編集部の取材知見をもとに構成しています。