キャリア 2026-09-01
ラクロス部OB・OGの「チームワーク」はキャリアでどう評価されるか
大学ラクロス部のOB・OGが自分の強みを説明しようとすると、「チームワークがあります」という一言で終わってしまいがちです。しかし、この言葉は実は日本ラクロス協会(JLA)と大手企業とのパートナーシップでも繰り返し使われている、根拠のあるキーワードでもあります。ここでは、企業がラクロスに見出す価値観を手がかりに、OB・OGが自分の経験をキャリアの言葉にどう翻訳できるかを考えます。
企業がラクロス界に見出す価値は「チームワーク」
JLAトップパートナー・リードパートナーの顔ぶれ
JLAは2023年10月に日清食品株式会社とのパートナーシップを開始し、2024年5月には日本代表活動を支援する体制として、日清食品をJLAトップパートナー、サイボウズ株式会社をJLAリードパートナーとする契約締結を発表しました。日清食品は日本代表の活動支援に加え、複数の全日本選手権大会の冠スポンサーも務めています。
なぜ「チームワーク」という言葉が繰り返されるのか
グループウェア「kintone」を展開するサイボウズは、「チームワークあふれる社会を創る」を自社の存在意義に掲げています。同社がパートナーシップ締結の理由として説明しているのは、「個を活かしたチームワーク」を大切にするラクロスというスポーツの特徴と、自社の企業文化との親和性の高さです。つまり「チームワーク」は、ラクロス部OB・OGが自称する抽象的な自己PRワードではなく、企業側がラクロスという競技に対して外部から見出している価値そのものだといえます。
ラクロス部の組織構造がチームワークを鍛える理由
全員が大学から始める「経験ゼロ」のスタートライン
日本のラクロスは1986年に慶應義塾大学の学生が始めたのが起源で、翌1987年にJLAが発足しました。高校までの競技経験者がほとんど存在せず、入部する部員のほぼ全員が大学から競技を始めるという構造は、経験者と未経験者の間に上下関係が生まれにくい珍しい環境を作り出します。教える側も数か月前まで初心者だったというケースが珍しくなく、「教え合いながらチームを作る」経験が自然と積み重なっていきます。ラクロス部出身者のキャリアで触れたように、この「大学から始める競技」という成り立ちは、卒業後のOB・OGネットワークの結びつき方にも影響を与えています。
役割分担の細かさが「調整力」を育てる
大学ラクロス部は主将・主務・会計・渉外・部長付きマネージャーなど、役割分担が細かいことで知られています。ポジションごとの練習メニューの調整、リーグ戦のスケジュールと授業・就職活動の両立、限られた予算の配分など、利害の異なる関係者の意見をすり合わせる場面が学年を問わず頻繁に発生します。この「異なる立場の意見を調整しながら組織を前に進める」経験こそが、企業が評価する「チームワーク」の実体に近いものです。
OB・OGが「チームワーク」をキャリアの言葉に翻訳する方法
学生時代の経験を漠然と語るのではなく、具体的なエピソードとして翻訳しておくと、キャリアの様々な場面で説得力を持ちます。
- 役割ごとの利害調整を具体化する: 「主務として遠征費と練習時間の優先順位をどう決めたか」など、誰の意見をどう調整したかを一つのエピソードとして言語化しておく
- 教え合う文化を再現性のある行動に落とし込む: 未経験者に技術を教えた経験を、「知識やノウハウを言語化して他者に伝える力」として、今の仕事のOJTや後輩育成の場面に接続する
- 今も関わっているかを更新し続ける: 引退後も後輩の指導やクラブチームの運営に関わっていれば、そのエピソードは学生時代のものより新しく、説得力のある材料になる
ラクロス部の経験は就活でどう評価されるかで解説した自己PRの組み立て方は、就職活動だけでなく、転職や社内でのキャリア形成を考えるタイミングでも同じように使える考え方です。
まとめ
「チームワーク」という言葉は、ラクロス部OB・OGが使い古した自己PRの常套句ではなく、JLAと企業のパートナーシップという形で外部からも裏付けられている価値観です。全員が大学からゼロで始めるという競技の成り立ちと、役割分担の細かい組織運営の経験が、その価値観を支えています。抽象的な一言で終わらせず、自分がどんな場面で誰の意見をどう調整したのかというエピソードに翻訳しておくことが、キャリアの様々な局面で強みを伝える力になります。
出典
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