資金調達 2026-09-02

大学ラクロス部の「渉外」とは? スポンサー探しを担当する学生の仕事と進め方

大学ラクロス部の運営資金は部費だけでまかなわれているとは限りません。企業からの協賛を得るために、部内に「渉外」と呼ばれる係を置いているチームも少なくありません。とはいえ、主将や主務のように役割の中身が広く知られているわけではなく、「何から手をつければいいのかわからない」まま担当になる学生も多いのが実情です。この記事では、渉外という係の仕事内容と、企業スポンサーを探す基本的な進め方を整理します。部の資金調達全体の考え方についてはラクロス部の部費はいくら? 学生・保護者の負担を減らす資金調達の考え方もあわせて参考にしてください。

「渉外」とは何をする係なのか

渉外は、部の外部、特に企業との窓口になる役割です。主な仕事は次のようなものです。

主将・主務との違い

役職主な役割
主将競技面のチームづくり、試合の采配
主務部全体の運営管理、対外的な事務窓口
渉外企業など外部との関係構築、協賛獲得

部によっては主務が渉外を兼任することもありますが、企業への提案活動は継続的な連絡と資料作成が必要になるため、規模の大きい部では専任を置くケースが増えています。

企業とラクロス界の協賛はどのくらい広がっているか

企業がラクロスの活動を支援する動きは、部単位だけでなく、競技全体を統括する公益社団法人日本ラクロス協会(JLA)のレベルでも進んでいます。JLAは2024年5月、日清食品とJLAトップパートナー契約を、サイボウズとJLAリードパートナー契約をそれぞれ締結しました。日清食品は全日本選手権大会や全日本大学選手権大会など国内主要大会を包括的にサポートし、サイボウズはクラウドサービスを活用した情報共有支援などでラクロス界を後押ししています(出典: JLA「日本ラクロス協会がJLAトップパートナー・日清食品、JLAリードパートナー・サイボウズと日本代表パートナーシップ契約を締結」)。

学生リーグ戦のレベルでも、渡辺パイプ株式会社が全国7地区の学生ラクロスリーグ戦の冠協賛パートナーとなっており、「渡辺パイプ presents」の名称で各地区のリーグ戦が開催されています(出典: JLA「日本ラクロス協会が渡辺パイプ株式会社と地区学生ラクロスリーグ戦のパートナーシップ契約を締結」)。全国7地区・14リーグという学生リーグの構造については大学ラクロスリーグ戦の仕組みとは?で詳しく解説しています。

協会レベル・地区リーグレベルで企業協賛が定着している一方、個々の部単位での協賛獲得はまだ部ごとの取り組みに委ねられているのが現状です。だからこそ、渉外担当が主体的に動く余地は大きいといえます。

部単位でスポンサーを探す基本プロセス

  1. 候補企業をリストアップする — OB・OGが経営・勤務する企業、地元企業、スポーツ用品関連企業など、部との接点を作りやすい企業から検討します。
  2. アプローチする — メールや電話で担当窓口にアポイントを打診します。飛び込みでの連絡になるため、返信が来ない前提で複数社に同時並行で当たるのが現実的です。
  3. 提案資料を作る — 部の実績(リーグの所属階層、部員数、大会成績)、SNSでの発信状況、協賛によって企業側が得られること(ロゴ掲出、活動報告など)を簡潔にまとめます。
  4. 条件をすり合わせて契約する — 金額や期間だけでなく、ロゴの掲出範囲や活動報告の頻度など、双方の認識をすり合わせておくと後のトラブルを防げます。
  5. お礼と報告を継続する — シーズン終了後の活動報告やお礼状は、翌年以降の継続協賛につながる重要なステップです。

学生団体でも扱いやすい資金調達チャネル

自分たちから企業へアプローチする渉外活動に加えて、部活動・学生団体を無料で掲載できるサービスを併用し、企業側からの問い合わせを待つという方法もあります。ツナカレはそうしたマッチングの場のひとつで、部の情報を掲載しておくことで、協賛や採用に関心を持つ企業との接点が生まれる可能性があります。渉外担当がゼロから営業先を開拓する負担を、こうしたサービスと組み合わせて軽減している部もあります。

渉外を成功させる部内体制のポイント

渉外がうまく回っている部には共通点があります。一つは、担当者一人に属人化させないことです。連絡した企業のリストや交渉の経緯を記録に残しておけば、代替わりのたびにゼロから開拓し直す必要がなくなります。

もう一つは、部全体のスケジュールと渉外活動のタイミングを連動させることです。新歓期や大会前後は部の実績や部員数を企業にアピールしやすいタイミングでもあります。新入生獲得の考え方は新歓戦略の設計でも詳しく扱っているので、渉外活動のスケジュールを組む際の参考にしてください。

まとめ

渉外は、主将や主務とは異なる形で部の運営を支える役割です。JLAや地区学生リーグのレベルで企業協賛が広がっている一方、部単位での協賛獲得はまだ発展途上の領域であり、リストアップ・アポイント・提案・契約・報告という基本プロセスを丁寧に積み重ねることが結果につながります。担当者一人に負担を集中させず、記録を残しながら継続的に取り組む体制を整えることが、渉外を長く機能させる鍵になります。

出典

本記事は上記の公開情報および編集部の取材知見をもとに構成しています。

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